仕事が向いていないと感じるときの対処法【臨床心理士が解説】

「仕事を向いていないと感じてしまう、どうしたらいいんだろう」

本記事ではこのような疑問にお答えします。

「仕事を向いていない」と感じると自己否定をして落ち込んでしまいますし、仕事へのやる気もなくなってしまうこともあると思います。
このような仕事上のストレスは、メンタルヘルスの問題にも直結してしまいますので、自分の心を守るためにも上手に対処していくことが大切です。

そこで本記事では、臨床心理士として精神科でカウンセリングを行っている筆者が、普段から患者さんに対して行っていることを方法を元に、「仕事が向いていない」と感じる人が知っておくべき対処法を解説します。

本記事のまとめ

「仕事が向いていない」と感じるときの対処法は以下のことが大切

  • 「仕事が向いていない」と言い切れない根拠を見落としていないか考える
  • 向いていないことがなぜダメなのか考える
  • ブレインストーミングを行い、仕事上の問題解決を目指す
  • プライベートを充実させる
  • 上司や人事に相談する
目次

仕事が向いていないと感じるときの対処法-考え方編

「向いていないとは言い切れない」と言える根拠を考える

「この仕事向いていないな」と考えているということは、それに対応する根拠が何かあるのではないかと思います。
例えば、「何回もミスをしてしまった」「○○が出来ずに上司から怒られた」というものです。

人間はネガティブな出来事の方が強く印象に残りますし、ネガティブな気持ちになっているときほどその傾向は強くなります。
その結果、ネガティブな気持ちがより長続きしてしまう悪循環から抜け出せなくなってしまうのです。

そのため、「この仕事は向いていない」と考えるときこそ、逆に「向いていないとは言い切れない」と言えるような根拠を探してみることが大切なのです。

ネガティブな気持ちに支配されず、フラットな気持ちでこれまでの仕事を振り返ってみましょう。
どんな些細なことでも構いません。何か見落としていることはありませんか?出来ていることはありませんか?

よく見落とされがちなことの例を以下にまとめましたので、是非参考にしてみてください。
今はまだ気付けていない「向いていないとは言い切れない」という考えの根拠になるようなことを探してみましょう。

・「○○は苦手だけど××の業務はしっかり出来ているな」

・「同僚皆が完璧にこなせている訳ではない」

・「過去には、苦手だったけど経験を経て少しずつ出来るようになったこともあるな」

・「今はまだ経験不足なだけで、現時点で向いていないと判断するには早いかも知れない」

・「同僚や上司に助言を求めたり、勉強したりとまだ出来ることはあるかもしれないな」

・「自分が向いていないと判断しているだけで、明確に誰かからそう言われたわけではない」

何か一つでも構いません、反対の根拠を探すことが出来ましたか?
探すことが出来なかったとしても大丈夫です。

今まで何の疑いもなく信じてきた自分の考えを疑ってみる経験そのものに価値があり、それによって考え方の視野が広げることができ、ストレスへの対処能力向上にも繋がるのです。

「向いていない」ことがなぜダメなのかを考える

仮にこの仕事に向いていなかったとして、なぜそれはあなたにとってダメなことなのでしょうか。
確かに、向き不向きで言えば向いているに越したことはないのかもしれません。

しかし、僕が応援している某アイドルグループのとあるメンバーは以下のようなことを言っていました。

「私はアイドルに向いていない、でもそれは悪いことではなく、向いていないからこそ新しいアイドルになれると思う」

つまり、「向いていない」と同じことを感じつつも、そのことに対する捉え方は人それぞれということです。

「向いていない」と感じたとき、落ち込む人もいれば落ち込まない人もいるわけですが、落ち込む方の背景によくある思考として、「仕事は完璧にこなさなければならない」「他の同僚に迷惑をかけてはいけない」「仕事で結果を出せないと自分には価値がない」「自分はいつかクビになるかも知れない」といった例が挙げられます。

あなたにはどんな背景があるのでしょうか。
そこにある思考に気付くことが出来れば、「なぜ自分は向いていないことを悪いことだと捉えすぎてしまうのか」見えてくるものがあるかも知れませんし、その気付きは考え方の幅を広げてくれることでしょう。

「向いていない」と考えることのメリットとデメリットを比較する

通常人は浮かんできた考え方を何も疑うことなく信じる生き物ですが、一度冷静になって、その考えによるメリットとデメリットを比較して見ることが大事です。

例えば、「自分はこの仕事に向いていない」と考えることで、自身のキャリアを見つめ直すことが出来たり、現状に対して改善策を考えることが出来たりするメリットがあるかもしれません。

しかしデメリットとして、落ち込んでしまう、やる気が落ちる、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす、その結果さらに仕事のパフォーマンスが下がるといったデメリットが発生していることも考えられます。

現状、メリットとデメリットどちらが大きいでしょうか。

もしもデメリットの方が大きくなっているのであれば、わざわざ自分でデメリットが多い道を選んでいることになり、これは少しおかしな状況と言えるでしょう。

メリットとデメリットを整理して、自分にとってメリットが多いと考えられる思考を選択することが大切です。

ここまで解説してきたように、自分を苦しめる考えを疑う練習をする方法は認知再構成法と呼ばれ、うつ病の治療にも効果があると科学的に証明されており、僕も患者様と一緒によくやっています。

この認知再構成法については以下の記事で詳しく解説していますので、ネガティブ思考に対して対処能力を上げたいという方は是非チェックしてみてください。

仕事が向いていないと感じるときの対処法-行動編-

ブレインストーミングで工夫を考える

ブレインストーミングとは、ある問題に対する解決法をまずは沢山紙に書き出して、そこから現実的な視点で絞っていく方法のことです。
例えば、いつも同じようなミスをしてしまうのであれば、そのミスをしないために出来そうなことを片っ端から書いていきます。

このとき、効果があるかどうか、本当に実行できるかどうかは一切考えなくて大丈夫です。

なんなら、ぶっ飛んだ方法を書いてみても良いでしょう。

それくらい視野を広げることが大切です。

一通り書き終わったら、どれくらい効果がありそうか、実際に出来そうなものはどれかと考えながら方法を選択し、実行します。
そして、実行した結果どうなったかを振り返り、反省を活かしてまた実行してみたり,違う方法を選択してみたりします。

このようにして、仕事上の問題を減らし、少しずつ成功体験を積むことが出来れば「向いていない」という思考も徐々に弱まってくることでしょう。

プライベートを充実させる

「仕事の悩みなのになんでプライベート?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ワークライフバランスという言葉があるように、メンタルヘルスを守るうえで仕事とプライベートは繋がっているので、両方にアプローチすることが大切なのです。

例えば、

「仕事が向いていない」と考えて落ち込む→休日も仕事のことを考えて落ち込む→何もやる気になれずリフレッシュが出来ない→意欲もパフォーマンスもどんどん落ちる→なおさら「仕事が向いていない」と考える

というような悪循環はよく起こりがちですので、このような悪循環を絶つためにも、休日は重い腰を上げてでもリフレッシュすることが大切だと言うことです。

少し散歩をしてみる、趣味をやる、人と会う、美味しいものを食べる、YouTubeや映画を楽しむ、ゲームをする、何でも良いので仕事のことを考えている時間を減らすことを意識してみましょう。

上司や人事に相談する

これまで考え方や行動で対処する方法について解説してきました。

しかし、自分が置かれている大変な状況を変えられるのならそれに越したことはないと思います。

そして、その状況を変えられるかどうかはその人の行動にかかっているとも言えます。

もし上司や人事に相談することで業務内容や勤務形態、部署を変えることが出来て、働きやすくなるのであればそれはメンタルヘルスを考えるうえで素晴らしいことだと思います。

そのため、自分が「向いていない」と考えていることを勇気を出して上司や人事に正直に相談することもおすすめします。

無理をする必要は全くない

仕事が向いていないと感じるときの対処法を、考え方と行動の2つの視点から臨床心理士が解説しています。

ここまで「仕事が向いていない」と感じるときの対処法について解説してきましたが、キツいときは頑張って対処しようとせず、逃げるのも一つの戦略だと僕は考えます。

この記事を読んでくださっている方は、「仕事が向いていない」と感じて落ち込んでいる方や、この状況をどうにかしたいと考えている方なのかなと推察しています。

そしてそのような方は、「仕事はしっかりこなさなければならない」と考えているような真面目さや、「同僚や上司に迷惑をかけちゃダメだ」と人の気持ちを考えられる思いやりを持った方なのではないかとも考えています。

そのような方々こそ、「この仕事辞めようかな」という考えが浮かんだときも、「仕事を辞めるなんて逃げだ、逃げるのはダメだ」「人手不足なのに今自分が辞めるのは申し訳ない」と考えて辞められないことが多い傾向にあると感じます。

その結果、いつまでもストレスが強い状況に身を起き続けるという悪循環に繋がります。

冒頭でも書いたとおり、同じ状況でもその状況がストレスになるかどうかはその人の考え方や行動次第とはまさにこの事です。

そのため、皆様には自分の心の健康を考えたうえでメリットがある考えや行動を選択していただけたら嬉しいと考えています。

ストレスの原因に立ち向かうのも、逃げるのもどちらも正解になり得るのです。

まとめ

本記事では、「仕事が向いていない」と感じるときの対処法について、考え方と行動の2つの視点から解説してきました。

本記事のまとめ

「仕事が向いていない」と感じるときの対処法は以下のことが大切

  • 「仕事が向いていない」と言い切れない根拠を見落としていないか考える
  • 向いていないことがなぜダメなのか考える
  • ブレインストーミングを行い、仕事上の問題解決を目指す
  • プライベートを充実させる
  • 上司や人事に相談する

当サイトでは、「仕事のストレスに打ち勝つメンタルケア戦略」をテーマに情報を発信しています。
他の記事もご覧いただけると嬉しいです。

では、今日もお互い頑張りすぎず頑張っていきましょう。

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