人前で緊張する原因と対処法を臨床心理士が解説!【緊張克服】

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「なんで自分は人前で緊張してしまうんだろう…人前で緊張する時の対処法が知りたい…」

本記事はこのような困り事を抱えている方に向けて書いています。

人前で話すときって緊張しますし、「緊張したくない」って思えば思うほど意識してしまってさらに緊張してしまうこともありますよね。
そして上手く話せず落ち込んでしまうこともしばしば・・・

こんにちは。
臨床心理士のひなたです。

僕は普段、精神科で心理カウンセリングを行っています。

本記事では、人前で話すときに緊張してしまう原因と、緊張するときの対処法についてまとめました。
特に、僕が専門にしており、社交不安症(あがり症)の治療にも用いられる、認知行動療法と呼ばれる心理療法の理論に基づいて解説します。
※参考文献

緊張して仕事で失敗してしまったり、人間形成がストレスになってしまったりするのを防ぐために、参考にしていただけたら幸いです。

ちなみに、認知行動療法は専用アプリのAwarefyを使うことで自分1人でも行うことができます。
AIによるサポートもありますので、認知行動療法で緊張への対処法を身に付けたい方はぜひ利用してみてください。

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本記事でわかること

・人が緊張する理由
・緊張しやすい人の考え方の特徴6つ
・緊張するときの対処法3つ
・緊張に強くなる4ステップ
・苦しいときは専門家に頼ることも大事
・人前で緊張する人がやってはいけないこと

目次

人が緊張する理由

人が緊張する理由

緊張に対処するためには、まずは緊張とはなんなのか知っておくことが役に立ちますので解説します。

人が緊張する理由は、闘争・逃走反応と呼ばれる現象によるものです。

生物は危機に直面したとき、その対象と戦うか逃げるかの選択を迫られます。
そのようなときにリラックスモードで居ると、危機を乗り越えることが出来ないため、交感神経が優先的に働きます。

交感神経が働くと、多くの酸素を取り入れるために呼吸が早くなったり、筋肉や脳に酸素を送り届けるために鼓動が早くなったりします。

これがいわゆる、緊張の正体です。

そして緊張の背景には恐怖や不安などの感情が存在します。

これらの感情は、自分に危険が迫っていることを教えてくれるアラームの役割があります。

例えば、道を歩いていると車が自分の方に向かって猛スピードで走って来たとき、恐怖を感じなかったらどうなるでしょうか?
恐らく車に轢かれてしまい、大惨事になってしまいます。

しかし恐怖という名のアラームが、「この場から逃げて!」と教えてくれることによって危険を回避することが出来るのです。

つまり、緊張やそれに伴う感情は僕たちの身の安全のために存在しているので、決して悪いものではありません。

しかしやっかいなことに、このアラームはよく誤作動を起こすため、実際は恐怖や不安を感じる必要の無い場面でも感じてしまいます。

人前で話すとき、この誤作動によって緊張が生じてしまっているということを是非知っていただきたいです。

なぜなら、緊張したときに「これは誤作動だ」と気付くことが、緊張に対処出来るようになるための第一歩だからです。

そしてさらに、このような誤作動が起きやすい人と起きにくい人の最大の違いは、人前で話すときに考えていることです。

例えば、人と話すときに、Aさんは「適当に話せばいいや」と考え、Bさんは「しっかり話さなきゃダメだ」と考えているとします。

恐らくAさんは特に不安にもならず、体も緊張せずに話すことが出来るでしょう。

そして、人前で緊張することなく話すことが出来たという成功体験に繋がりますので、次に人前で話すときも緊張しないと考えられます。

一方Bさんは不安を感じ、体が緊張してしまい、上手く話せなかったという失敗体験をするかもしれません。

そして次に人前で話すときも、過去の失敗体験が頭に浮かんで緊張してしまうでしょう。
これがさらなる失敗体験に繋がる悪循環を生み出します。

以下の図をご参考ください。

人が緊張するメカニズム

これは、うつ病やあがり症の治療にも使われる認知行動療法と呼ばれる心理療法の理論です。

Bさんのような悪循環にはまらないためにも、自分考えに気付き、対処するスキルを身に付けるのが非常に大切です。

そこで、緊張しやすい人の考え方の特徴についてご紹介します。

緊張しやすい人の考え方の特徴6つ

緊張しやすい人の考え方の特徴

以下に紹介する考え方の特徴に、自分はどれくらい当てはまるか振り返ってみてください。
あなたはいくつ当てはまりますか??

べき思考

「○○するべきである」「○○するべきではない」というような考え方です。

例:「人前ではしっかり話すべきだ」「人前で話すときに失敗するべきではない」

白黒思考

白か黒か、0か100で考える癖のことです。

例:「話すとき、少しでも失敗したら自分は無能だ」「発表中、1回でも止ったら終わりだ」

読心術

他者の心のうちを勝手に推測するような考え方です。

例:「自分の話を聴いている人たちはみんなつまらないと思っているだろう」「話が下手だと思われているに違いない」

拡大視・縮小視

良くないことは大きく見て、良かったことは小さく見ることです。

例:「上手く話せたこともあるけどそれは運が良かっただけだ」

感情的理由づけ

客観な的事実ではなく、自分の感情に基づいて物事を判断してしまう考え方です。

例:「こんなに不安で緊張しているのだから失敗するに違いない」

破局視

あらゆる可能性があるにもかかわらず、最悪な未来を想定してしまう考え方です。

例:「明日のプレゼンで失敗したら自分はクビになるだろう」

緊張するときの対処法3つ

緊張するときの対処法3つ

次に、緊張したときの対処法について説明します。

これらはいずれも効果的ですが、人によって合う合わないがありますので、3つ試してみて自分がやりやすいと思った方法を練習してみてください。

自分の考えの幅を広げる

緊張するとき、先ほど紹介したような自分の考えに気づいたら、その考えの幅を広げる練習をしてみましょう。
これは認知行動療法のテクニックに含まれる認知再構成法と呼ばれる方法で、社交不安症(あがり症)の治療にも用いられる方法です。
※参考文献

認知再構成法では、自分の考えに対して様々な視点から疑問を投げかけることで、考えの幅を広げることができます。

認知再構成法を自分で行うときの手順を、大事なプレゼン前に「しっかり話さなければならない」と考えて緊張している人を例に挙げて解説します。

STEP
「しっかり話さなければならない」という考えを信じている度合いを数字で表わすとどれくらい?

→「80%くらいかな」

STEP
その考えの根拠はなに?

→「上司から期待されているし、自分の評価にも関わるから」

STEP
逆にその考えを「そうではない」と言える根拠はなに?

→「人間だから失敗することもあるし、誰にでも得意不得意はある」

STEP
自分の親しい人が同じことを考えて緊張していたら、なんと言って励ます?

→「大変だね。きっとなるようになるから、プレゼンが終わったら飲みに行こう」

STEP
自分の考えを親しい人や、尊敬する人が知ったらなんと言う?

→「友だちの○○なら、考えすぎだよ!って言いそう」「尊敬する××さんなら、もっと自分を信じろって言うかも知れない」

STEP
この考えを持つことのメリット、デメリットはなに?どちらが大きい?

→「しっかり話さなければならないと考えているからこそ、仕事に真面目に取り組めているというメリットがある。だけど、緊張してしまって本来のパフォーマンスを出せないというデメリットもある。70対30でデメリットが上回っているな」

STEP
仮にこの考えが正しいとして、何か出来ることはある?

→「事前に一生懸命発表の練習をしよう。発表の冒頭で緊張していることをあえて自分から言ってもいいかもしれない。もし上手くいかなかったとしても、他の業務で挽回しよう」

STEP
ここまで振り返って自分になんて言ってあげる?

→「上司から期待されているけど、そのことを考え過ぎると逆に緊張してしまうから、失敗してもまた挽回するチャンスはあると信じて頑張ろう」

STEP
今、「しっかり話さなければならない」という考えを信じている度合いを数字で表わすとどれくらい?

→「さっきは80%だったけど、今は60%くらいかな

最初は難しいですが、コツコツ練習することで徐々に身につくはずです。

ちなみに、冒頭で紹介した認知行動療法アプリAwarefyでも認知再構成法(コラム法)は行うことができます。

「認知再構成法をやってみたいけど自分1人でできる自信はない」という方は、ぜひ利用してみてください。

腹式呼吸

認知行動療法では、緊張をほぐすための方法として腹式呼吸がよく用いられます。
腹式呼吸は、心拍数を下げ、副交感神経を活性化させることで緊張を軽減することが出来ます。

腹式呼吸の手順は以下の通りです。

STEP
姿勢を楽にする

椅子に座っている場合は、背筋を伸ばし、両足を床につけて膝が直角になるようにしましょう。
立っている場合は、背筋を伸ばして肩の力を抜くイメージです。

STEP
片手をお腹に置く

お腹の動きを感じやすくするため、片手をみぞおちの下あたりに軽く置きましょう。

STEP
鼻からゆっくり息を吸う(約4秒)

このとき、お腹が膨らむのを意識してください。
お腹に置いた手が少し持ち上がる感覚に注意を向けましょう。

STEP
吸った空気を止める(約1~2秒)

約7秒止める方法もあります。
自分にとってやりやすいリズムで取り組んでみてください。

STEP
口からゆっくり息を吐く(約6~8秒)

このとき、お腹をへこませるように意識し、すべての息を吐ききる感覚です。

STEP
繰り返す

これを5~10分繰り返します。
慣れないうちは3分からでも構いません。

緊張するときに上手く腹式呼吸が出来るように、普段から日常的に練習しておくことをおすすめします。

「今、ここ」に意識を向ける

緊張するとき、人は未来や過去に意識を向けており、「今、ここ」に集中することが出来ていません。

未来の例:「失敗するかも知れない
過去の例:「前失敗してしまった…

そのため、「今、ここ」に意識を向ける練習をしましょう。
「今、ここ」に意識を向けられている状態をマインドフルネスといいます。

「今、ここ」に意識を向ける方法の一つを以下に紹介します。

STEP
姿勢を楽にする

椅子に座っている場合は、背筋を伸ばし、両足を床につけて膝が直角になるようにしましょう。
立っている場合は、背筋を伸ばして肩の力を抜くイメージです。(腹式呼吸と同様)

STEP
呼吸に意識を向ける

お腹が膨らんだりへこんだりしていることに気付き、意識を向けましょう。

STEP
視覚に意識を向ける

目に映る情報に気付き、心の中で言葉にしましょう。

例:「この机は深い茶色だ」「水色のカーテンが揺れている」

STEP
聴覚に意識を向ける

聞こえる音に耳を澄ませ、気付いたことを心の中で言葉にしましょう。

例:「空調の音が聞こえる」「窓の外から車が通る音が聞こえる」

STEP
嗅覚に意識を向ける

匂いに気付き、心の中で言葉にしましょう。

例:「誰かの香水の匂いがする」「湿気の匂いがする」

STEP
体の感覚に意識を向ける

例:「心臓がドキドキしている」「少し息が苦しい」

上手に出来るようになるように、普段から練習しておくことをおすすめします。
しかしマインドフルネスは自力で習得するのが難しいので、マインドフルネス用の音声を聞くことができるAwarefyを使って取り組むことをおすすめします。

Awarefyマインドフルネス

                       出典:Awarefy

緊張に強くなる方法

緊張に強くなる方法

結論、自分が出来るレベルから、緊張する場面にあえて直面する練習をしましょう。

「人前で緊張する」と一言で言っても、状況によって緊張の度合いは変わるはずです。

自分の中で難易度のレベルを設定し、「これなら挑戦できそう」と思える課題から取り組んでいきましょう。

これを認知行動療法では段階的曝露といいます。

以下に手順を示します。

STEP
自分が緊張する場面を沢山書き出す

仕事の時、友人と過ごすとき、一人で過ごすとき…状況は問いません。

緊張するけど出来ることや、緊張するからいつもは避けていることをとにかく挙げてみましょう。

STEP
書き出した場面を、10段階でレベル設定をする

例:上司複数人の前でプレゼンをする(10)
  1人の上司に自分の考えを伝える(7)
  4~5人のミーティングで自ら発言する(4)
  飲食店で他のお客さんにも聞こえる声で店員を呼ぶ(2)

STEP
挑戦できそうなものを一つ選び、実行して結果を振り返る

緊張するとき、多くの場合何かしらの予想があると思います。

例えば、「失敗するだろう」「馬鹿にされるだろう」といったものです。

行動をしてみて、自分が予想していたネガティブな結果が起こったかどうか振り返ってみてください。

もし、「意外と大丈夫だった」という体験が出来ればそれは大きな一歩です。

意外と大丈夫だった」という体験は、緊張しやすい自分を治すための最高の薬ですが、残念ながら勇気を出して挑戦した人しか得る事が出来ません。

出来るところからで良いので、「意外と大丈夫だった」を沢山集めましょう。

STEP
より高いレベルの課題に挑戦する

挑戦する課題のレベルを一つずつ上げていきましょう。

注意点として、以下に当てはまる方は段階的曝露を行わないようにしましょう。

・日常生活に支障が出るほど緊張や不安が強い
・パニック発作が起こることがある
・うまく対処できずに「やっぱりダメだ」と自己否定につながる

基本は精神科医や臨床心理士と相談しながら行うことをおすすめします。

最難関の課題をクリアできたときは、今までよりも人前で自信を持って話せる自分になっているはずです。

人前で緊張する人がやってはいけないこと

緊張する人がやってはいけないこと

それは、緊張する自分を否定することです。

「緊張してはいけない」と考えれば考えるほど緊張しますし、緊張する自分に落ち込んでしまいます。

しかしそれではどんどん自信を喪失し、悪循環が強くなってしまいます。

これまで色々解説してきましたが、一番大事なのは緊張を0にしようとしないことです。

はっきり言いますが、緊張しやすい人が緊張を0にするのはほぼ無理です。

必要なのは、緊張と共存する力です。

ここで一つ、『バスの乗客』という例え話をお伝えします。

あなたはバスの運転手です。
乗客の中には不快な野次を飛ばしてくる者もいます。

そのとき、あなたには2つの選択肢があります。

不快な乗客をバスから降ろすためにその乗客と戦い、ハンドルを手離して行きたい道を逸れるのか。
不快だけど乗車することを受け入れ、野次を聞き流し、ハンドルをしっかり握って自分の進みたい道を進むのか。

あなたはどちらを選びますか?

つまり、「人前で話すときは失敗しちゃダメだぞ!」「みんなお前のこと見ているぞ!」などと不快な野次を飛ばしてくる緊張という名の乗客の相手をして道を逸れるよりは、「そこにいていいよ」と受け入れた方が自分の望む結果に繋がるということですね。

緊張に対処するのは大事ですが、このバスの例え話のように、緊張と共存することも大事だということを覚えておいてください。

苦しいときは専門家に頼ることも大事

専門家を頼ることも大事

人前で緊張する自分を治したいのに治せないと、今後の人生への不安や、自分への落ち込みでこころがいっぱいいっぱいになることもあると思います。
そういうときは一人で抱え込まず、是非専門家に相談してみてください。

公認心理師や臨床心理士などの心理学のプロのカウンセラーなら、きっと力になれることもあるはずです。
心理カウンセラーに相談することで、自分の緊張への理解がより深まり、対処法も明確になります。

また、誰かにこの苦しさを分かって貰うだけでも、心のモヤモヤが晴れるでしょう。

最近はいつどこからでも、気軽に相談できるオンラインカウンセリングサービスも充実しています。

自分の悩みを誰かに話すことは凄く勇気がいることだと思いますが、その勇気が悪循環を断ち切ることもあります。

参考までに、おすすめのオンラインカウンセリングサービスをまとめた記事を以下に貼っておきますね。

人前で緊張する原因と対処法 まとめ

人前で緊張する原因と対処法まとめ

本記事では、人前で緊張する理由やその対処法について解説してきました。

本記事のまとめ

・人前での緊張は危険を知らせるアラームの誤作動であり、その誤作動は考え方の癖によって起こる

・緊張への対処法は

 ・認知再構成法
 ・腹式呼吸
 ・「今、ここ」に意識を向ける

・段階的に課題を設定し、少しずつクリアすることを目指す

・苦しいときは専門家に頼ることも大切

当サイトでは、心の健康に役立つ情報や、日常生活に活かせる心理学について発信しています。

他の記事もご覧いただけると嬉しいです。

では、今日もお互い頑張りすぎず頑張っていきましょう。

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