うつ病の家族を支える7つのコツ&自分のケア法3選を臨床心理士が解説

「家族がうつ病になったときの対応方法が知りたい」
「うつ病の家族をすることで自分が疲れてしまった」

本記事ではこういった悩みにお答えします。

本記事でわかること
  • うつ病の家族を支える7つのコツ
  • 自分のケア法3選

家族がうつ病になってしまったとき、「こういうことは言っちゃいけないのかな」「何かしてあげられないかな」と悩まれる方も多いと思います。

さらに、そういった悩みからご家族の方もストレスを溜めてしまい、体調を崩してしまうこともあります。

そこで、本記事では、うつ病の家族への対応の仕方と、自分自身がストレスを溜めないような工夫について解説していきたいと思います。

目次

うつ病の家族を支える7つのコツ

① いつもと違う様子に気づく

うつ病の方は、「家族に心配をかけたくない」という思いから、心身の不調を自ら家族に話さないことがあります。
だからこそ、家族の方はご本人のことを気にかけて、変化に気づいてあげることが大切です。

具体的には、以下のようなポイントを気にかけてみましょう。

身体面の変化:睡眠や食欲の変化、頭痛腹痛、疲労感など

精神面の変化:気分の落ち込みや悲観的な考え方、無関心や無気力、イライラや不安など

行動面の変化:会社への遅刻や欠勤、出社拒否、口が図の減少や否定的な言動、人との接触を避ける、今まで好きでやっていたことをやらなくなるなど

② 相談につなげる

もし変化に気づくことができたら、ご本人の考えや気持ちを否定しないことを意識して話を聞いてあげましょう。

もしあまり話さないようであれば、それは「今はそのことについて話したくない」というご本人の意思表示と捉えて、無理に聞かないであげましょう。
「気が向いたら話してね」というスタンスで見守ってあげることも大切です。

もしもご本人が話すことが出来るのであれば、産業医や会社の相談窓口、医師などに相談することをおすすめします。病院に行く際はご家族の方も一緒に行ってあげて、主治医の話を聞いておくと良いでしょう。

③ 安心して療養できる環境をつくる

うつ病の回復には「安全感」と「心身の休息」が不可欠です。

うつ病の方は、「自分はダメだ」「家族に迷惑をかけている」と自責の念を抱きがちです。
しかし、家族が温かく受け入れ、「無理しなくていいよ」「あなたのペースで大丈夫」と伝えることで、安心感が生まれます。
その結果、自分を責める気持ちが少しずつ和らぎ、回復の妨げとなる負の感情を減らすことができます。

また、うつ病は、心も体もエネルギーが枯渇している状態です。
安心できる環境があれば、緊張や不安が減り、しっかり休息を取ることができます。
十分な睡眠や規則正しい生活を送ることで、少しずつエネルギーが回復し、心の余裕も生まれてきます。

そのためご家族の方は、過干渉にならない範囲で、本人が安心できる環境をつくることを意識することが大切です。

④ 原因探しをしない

家族が「仕事が原因だったのでは?」「もっと休めばよかったのでは?」などと原因を探ると、本人は「自分が悪かったのかもしれない」「もっと気をつけるべきだった」と罪悪感を抱くことがあります。
これにより、さらに自己否定感が強まり、症状が悪化することがあります。

また、そもそもうつ病は、ストレス、環境要因、性格傾向、遺伝的要素、脳の働きの変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。
そのため、「これが原因だ」と特定することは難しく、無理に探そうとすると本人を苦しめることになります。

大切なのは、原因探しをするのではなく、「今、何がつらいのか」「どうすれば少しでも楽に過ごせるか」に目を向けることです。

⑤ 励まさない

うつ病の方に「頑張れ」など励ましの言葉を言うと、「これ以上何を頑張ればいいのか…」と無力感に繋がったり、「家族が応援してくれているのに申し訳ない」と罪悪感やプレッシャーになってしまうこともありますので、励ましの言葉を言うことは出来れば避けた方が良いでしょう。

また、うつ病の人は意欲やエネルギーが低下しているため、前向きな言葉を受け取る余裕がないこともあります。
周囲が「あなたならできる」と励ましても、本人には「できない自分を責められている」と感じられることがあり、余計に追い詰められてしまいます。

まずは、無理に励ますのではなく、相手の気持ちを受け止めることが大切です。
「大変だね」「つらかったね」と共感することで、安心感を与えられます。また、必要な時にそばにいることを伝え、無理に行動を促さず、ゆっくり回復を待つ姿勢が重要です。

⑥ 特別なことはしない

過剰な配慮が逆にプレッシャーになることがあるためです。
家族が「うつ病の人を支えなければ」と特別扱いすると、本人は「迷惑をかけている」「申し訳ない」と感じやすくなり、自己否定感が強まる可能性があります。
特に、日常生活で過度に手を貸すと、本人の「自分でできること」まで奪ってしまい、回復の妨げになることもあります。

また、家族が過剰に気を遣うと、本人は「普通に接してもらえない自分は異常なのでは」と感じ、孤独感が深まることがあります。
うつ病の人にとって、特別な対応よりも「いつも通りの関わり」の方が安心できることが多いのです。

家族ができる最善のサポートは、特別なことをしようとするのではなく、普段通りの生活を維持しながら、必要な時に寄り添うことです。
温かく見守りつつ、「無理に元気を出さなくていいよ」「そばにいるよ」と伝えることで、本人は安心感を得られます。

⑦ 大きな決断はしない

うつ病の時はネガティブな思考が浮かびやすい状態になっており、物事を客観的に考えることが難しく、過度に悲観的に考えてしまいます。

言わばネガティブなフィルターを通して、世界を見ているイメージです。

悲観的な考えをもとに決断をすると、合理的な決断が出来ない可能性が高いので、人生に関わるような大きな決断は一度立ち止まって、ネガティブなフィルターが外れてから決断するようにしましょう。

参考:【厚生労働省】こころのみみ

自分のケア法3選

家族がうつ病になってしまうと、看病する立場の人もそのネガティブな渦に巻き込まれてしまう可能性があります。

その渦に巻き込まれてしまうと、家族全体にご本人だけでなく家族全体によりネガティブな状況をもたらしてしまうため、自分自身のケアもしっかりすることが求められます。

以下にその方法3つを紹介します。

① ネガティブ思考に対処する

うつ病の患者さんのご家族がよく考えがち思考として、「自分があのときこうしていればうつ病にはならなかったかもしれない」「自分は○○(ご本人)のために何もしてあげらていない」というような自分を責めるようなものや、「うつ病が長引いてもう元の生活には戻れないかも知れない」というような未来を悲観的に予測するものがあります。

こういった考えが浮かんでしまうと、落ち込みや不安につながってしまうので、まずはこのような思考を切り替えることを意識しましょう。

ネガティブな思考を切り替える方法は、簡単に言うと、その思考の正しさを疑うことです。

ネガティブな思考を疑って考え方の幅を広げることを認知再構成法と呼ばれ、うつ病や不安症などの精神疾患の治療にも効果があると証明されている技法です。

詳しいやり方は以下の記事で解説しているので、是非参考にしてみてくださいね。

② リフレッシュになる活動をする

うつ病の家族を支えることは精神的に大きな負担がかかります。
「自分が支えなければ」と思い詰めると、疲労やストレスが蓄積し、家族自身が心身の不調を抱えてしまうことがあります。
その結果、焦りや苛立ちが生じ、本人への接し方がぎこちなくなったり、適切なサポートが難しくなることもあります。

こうした負担を軽減するために、家族自身がリフレッシュできる時間を確保することが大切です。
例えば、散歩や運動、趣味の時間、友人との会話、リラックスできる入浴など、少しでも気持ちを切り替えられる活動を取り入れることで、精神的な余裕を保ちやすくなります。

また、リフレッシュすることは罪悪感を感じることではなく、むしろ家族の健康を維持するために必要なことです。
家族が元気でいることで、本人にとっても安心感が生まれ、良い影響を与えます。

うつ病の支援は短期間で終わるものではありません。家族自身が無理をせず、適度にリフレッシュすることが、結果的に長期的なサポートにつながります。

③ 専門家に頼る

周囲に頼れる人がいないという方は、専門家を頼ることも大事です。

例えば、ご家族がうつ病になってしまい、看病を頑張ったことで自分の調子を崩してしまった方や、不眠、疲労感がある方は、恐れずに医療機関に行ってみるのも大切です。

家族自身も、相談窓口や支援機関を利用することで、適切な対応方法を学び、負担を軽減できます。
専門家に頼ることは、「家族が無力だから」ではなく、「より良い支え方をするための選択」です。適切な支援を受けながら、無理なく支えることが、本人にとっても家族にとっても最善の方法なのです。

まとめ

本記事では、うつ病の家族のへの対応方法と自分のケア方法について紹介してきました。

本記事のまとめ
  • うつ病の家族を支える7つのコツ
    ① いつもと違う様子に気づく
    ② 相談につなげる
    ③ 安心して療養できる環境をつくる
    ④ 原因探しをしない
    ⑤ 励まさない
    ⑥ 特別なことはしない
    ⑦ 大きな決断はしない
  • 自分のケア法3選
    ① ネガティブ思考に対処する
    ② リフレッシュになる活動をする
    ③ 専門家に頼る

ご家族がうつ病になってしまったときは、そのご本人のことで悩んでしまうことも多いと思います。

しかし、今この文章を読んでくださっている方は、きっと家族がうつ病になってしまったときの対応方法について調べ、しっかりと終盤まで読んでくださっているということになります。

このように既にアクションを起こしているご自身をまずは褒めてあげて欲しいと思います。

当サイトでは、仕事のストレスに関する話題を中心に、メンタルケアの方法について発信しています。
他の記事も読んでいただけたら嬉しいです。

では、今日も頑張りすぎず頑張っていきましょう。

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